“過去最大”来年度予算案 その中身は? 記者解説[2015/01/12 11:53]

 政府は、一般会計の総額が96兆3400億円の過去最大規模となる来年度予算案を固めました。今回の予算案では、教育や科学技術などほとんどの予算を削減した一方で、社会保障費と防衛費は増えました。ただ、高齢者の増加で年々、膨らむ社会保障費に関しては、介護報酬を引き下げるなど伸びを抑え込む形となりました。

 (経済部・村田卓記者報告)
 予算編成で最も優先されたのは、財政赤字の比率を2010年度の半分にするという目標を達成することでした。消費税の10%引き上げが先送りされたうえに、経済対策のための歳出も加わって、赤字削減のハードルが一段と上がりました。一方で、「ジャパンハウス」建設など中国や韓国の日本批判を意識した情報発信の強化や、周辺海域の警戒を強める防衛費といった「安倍カラー」の予算は削れません。このため、介護保険サービスの価格を2.27%引き下げたのをはじめ、社会保障費の伸びを抑えたことが目立つ予算になりました。これで財政赤字削減の目標は達成されるものの、今度は福祉切り捨てとの批判を浴びかねず、通常国会で説明に追われることになりそうです。

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