TPP足踏み オバマ政権に交渉権限付与見通し立たず[2015/03/04 11:50]

 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉がまた足踏みです。日米の協議はおおむねまとまり、12カ国の協議も知的財産権など一部を残すのみとなり、交渉決着のための閣僚会合を今月中に行う考えでした。しかし、肝心のアメリカ議会では、オバマ政権に交渉権限を与える法案の成立が見通せないため、この春の合意という目標がズルズルと遅れています。

 アジア最大の食品展示会には、アメリカの食肉輸出連合会がブースを開いて、牛肉の品質のアピールに余念がありません。TPPの合意もにらんで、日本をはじめ、アジア市場への進出を見据えているからです。
 米国食肉輸出連合会、フィリップ・セング会長:「日本は牛肉や豚肉、トウモロコシ、小麦の輸出先として1位になっている。農産物輸出市場にとって、日本は重要な役割を果たしている」
 しかし、交渉の行方は芳しくありません。オバマ政権とアメリカ議会の対立が尾を引いて、交渉権限を与える法案の成立の見通しが立っていないからです。ある政府高官は「5月上旬までに合意しないと漂流する」と危機感をあらわにしています。5日からは日米交渉、来週からは首席交渉官会合が始まりますが、アメリカ議会の動きを横にらみしながらの交渉となりそうです。

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