0%台後半へ 日銀、物価見通し“引き下げ”検討[2015/04/29 11:57]

 日銀は、30日の金融政策決定会合で、今年度の物価見通しについて、現在の1%から0%台後半への引き下げを検討する見通しです。

 (経済部・柊知一郎記者報告)
 物価見通しの引き下げ検討は、デフレ脱却に向けて日銀が描いていたシナリオとは異なる状況にあるともいえます。株価は2万円台、企業決算は好調、賃金も伸び始めています。しかし、物価だけが上がらない最大の要因は、原油安と消費回復の遅れです。日銀は、約束した「2年程度で2%」という物価目標を守れそうもなく、市場関係者からは「日銀がいずれ追加の金融緩和策に踏み切る」との観測も出ています。ただ、追加緩和は円安を招き、輸入コストを上昇させるため、中小企業や家計の負担を増やす懸念もあります。日銀が物価見通しを引き下げた場合、今度は2%の物価目標の達成時期をどう見直すのかが課題となってきます。

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