TPP交渉に出発の鶴岡首席、米議会の動きに懸念[2015/05/13 15:00]

 TPP(環太平洋経済連携協定)の首席交渉官会合に出発した鶴岡TPP首席交渉官は、アメリカ議会でTPPの全体合意に必要不可欠とされる法案の審議入りが見送られたことについて強い懸念を示しました。

 鶴岡TPP首席交渉官:「アメリカ連邦議会が大統領府に対する貿易権限を付与しないということであれば、交渉をまとめるための必須の条件が整わないことになり、そのなかで交渉を進展させることはなかなか難しいだろう」
 アメリカの上院議会で貿易に関する大統領権限を強化する法案の審議入りが否決されたため、オバマ大統領が目指す来週中の法案成立が不透明な情勢です。鶴岡首席は「議会の動向に注目しながら交渉する」としたうえで、「最終的な取りまとめを目標にすることに変更はない」と強調しました。首席交渉官会合は12カ国が参加し、15日から25日の11日間、アメリカのグアムで行われます。会合では、国有企業の競争条件や医薬品の開発データを保護する期間など残された難航分野が協議される予定で、閣僚会合の開催に持ち込めるかどうかが焦点です。

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