「シャープ」どこへ? 2000億円規模の赤字で苦境[2015/05/14 11:49]

 大手企業の好決算が相次ぐなか、シャープが苦境に立たされています。2011年度と12年度は巨額の赤字でしたが、13年度は持ち直し、14年度は当初、300億円の黒字に回復する予想でした。しかし、14日に発表される決算では、2000億円規模の赤字に再び転落する見通しです。このため、銀行からの資本支援や国内3000人規模のリストラなど再建策を打ち出す予定です。

 (経済部・野口有香記者報告)
 主力の液晶などの収益悪化をどう改善するのか。シャープは具体的な再建策を午後に発表します。シャープは売上高の3分の1を占める液晶事業を収益の柱としてきました。しかし、官民ファンドが設立したジャパンディスプレイと競争が激化したうえに、世界的な液晶価格の下落で損失が拡大しました。今回の改革で、累積赤字の解消のため資本金を大幅に減らし、銀行から資本支援を受けるとしています。銀行幹部も「最後のチャンス」と捉えていて、高橋興三社長も辞任せず、かじ取りを担う考えですが、専門家からは厳しい指摘も出ています。
 松井証券シニアマーケットアナリスト・窪田朋一郎氏:「どのセクターを黒字化していくのかがしっかり見えてこないと、財務体質が改善しても、その後、どこで利益を上げるのか見いだしづらい」
 シャープは今後、何を稼ぎ頭に本格再建するのか。先行きは不透明です。

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