TPP大筋合意至らず 新薬、乳製品で折り合いつかず[2015/08/01 11:48]

 ハワイで行われているTPP(環太平洋経済連携協定)閣僚会合は、医薬品や乳製品の扱いを巡って決裂し、大筋合意には至りませんでした。

 (経済部・新谷時子記者報告)
 閣僚による共同会見は終了しました。ギリギリまで交渉を重ねましたが、目指していた政治決着には至りませんでした。議長であるアメリカのフロマン通商代表は、会見で「TPPが手が届くところに来たと確信する」と成果を強調したものの、この先の行方は不透明です。日米交渉を巡っては、コメを無関税で輸入する枠を約8万t程度、アメリカとオーストラリアに対して新たに設けるなど、日本が農産品で譲歩する一方、アメリカも日本が求めていた自動車部品の関税の大半を即時に撤廃するなど、ほぼ決着したということです。しかし、最大の障害になったのは、酪農大国のニュージーランドの抵抗でした。関係者によりますと、乳製品の輸出拡大を狙い、日本やカナダなどと折り合いがつかず、さらに、最大の争点だった医薬品のデータ保護期間の問題でも強硬姿勢だったということです。今後は交渉を継続するというものの、次の会合の日程も決められないまま、閣僚会合は幕を閉じました。

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