経営サイドはベアに慎重姿勢 今月末に春闘スタート[2016/01/19 19:30]

 経団連は19日、今年の春闘の経営側の指針を正式に発表しましたが、賃金の水準を引き上げるベースアップについては、慎重姿勢をにじませました。

 経団連・工藤泰三副会長:「とにかくベースアップだけにしてしまうと、自縄自縛的なところがあるので、年収の方が、どちらかというとハードルが低い部分もある」
 経団連は今年の春闘の経営側の指針で、「去年を上回る『年収ベースの賃金引き上げ』について、前向きで踏み込んだ検討が望まれる」と今年も賃上げを呼び掛けていく方針を掲げました。しかし、個人消費の拡大に効果があるといわれるベースアップについては、去年は「選択肢の一つ」と踏み込みましたが、今年は「賃上げの方法はベースアップに限らない」として、「賞与なども選択肢だ」と強調しました。中国経済の減速や世界的な株安など不透明感が広がるなか、経営側が将来の負担となるベースアップに慎重になっていることが要因になっています。また、指針では少子化対策として、ベースアップを一律ではなく、若年層や子育て世代などに重点的に配分することも検討するよう呼び掛けています。今月末には、経団連と労働側の代表である連合のトップ会談が開かれる予定で、春闘が正式にスタートすることになります。

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