マーケットは“神経戦”に…日米の金融政策に緊張感[2016/09/21 11:49]

 この一日は、世界の市場の視線が2つの国に注がれそうです。日本では21日に日銀が異次元緩和を総括的に検証し、新たな金融政策を発表します。そして、日本時間の22日未明、アメリカではFRB(連邦準備制度理事会)による利上げの是非が決定されます。日米の行方に市場には緊張感が高まっています。

 (経済部・新谷時子記者報告)
 連休明けから株価や為替にほとんど動きはなく、マーケットは身動きが取れない状況が続いています。日経平均株価、午前の終値は20日に比べて80円安と小動きで、また、株価に影響を与える為替も101円台半ばから後半に長く張り付いています。日銀の会合はもうまもなく結果が発表されるとみられます。日銀による国債の保有残高が全体の4割に迫るなか、さらなる金融緩和の効果に懐疑的な見方も広がっていて、日銀が次の一手をどうするのか関心が高まっています。ただ、投資家の目線の先にあるのは、世界のマーケットに影響を及ぼすアメリカの利上げの動向です。このため、日銀の政策発表を受けてもなかなか動きづらいという声も聞かれます。
 三菱UFJモルガン・スタンレー証券、チーフ為替ストラテジスト、植野大作氏:「日本銀行が先に手の内を明かしても、アメリカの金融政策の後出しジャンケンで効果が台無しにされることもあるので、いろんな人たちの思いが渦を巻いて不用意には動けない」
 さらに、1カ月半後に迫ったアメリカの大統領選挙など不確定要素は多く、マーケットでの神経戦は長く続きそうです。

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