日本の武器輸出はいま…襲い来るアメリカ軍需産業[2016/11/13 17:36]

 おととし(2014年)、武器輸出を原則解禁した日本はオーストラリアへの潜水艦の輸出を図りましたが、実現できず、次にインドへの救難飛行艇の輸出を目指しています。一方、武器輸出大国のアメリカでは次期大統領にトランプ氏が当選し、今後に大きな影響を与えそうです。

 日本政府がインドへの輸出を目指すのは救難飛行艇「US−2」。US−2は海上自衛隊が運用、戦闘現場での遭難者救出が目的です。3メートルの荒波でも離着水でき、飛行距離も4700キロ、世界一の技術とされています。ただし、1機120億円。2、3年に1機のペースで造っています。インドへは12機輸出する算段で総額1500億円のビッグビジネスですが、さらなる投資が必要となります。
 新明和工業・深井浩司常務執行役:「(輸出となると)投資に対する回収が非常に難しい。投資の仕方は考えないといけない。難しいとしかいえません」
 “平和ブランド”を降ろしてまで解禁した武器輸出は思惑通りには進んでいません。ミサイル部品の輸出などは始まっていて、こちらは日本の技術が中東などの紛争に使われる可能性も否定できません。一方で今、アメリカからの武器の購入額が大きく膨らんでいます。1機180億円の最新鋭ステルス戦闘機「F35」。日本は42機を購入。
 ロッキード:「F35以外にも多くの製品がある。日本には今後、大きなビジネスチャンスがある」
 駐留米軍の配備に今も不安の声が出る「オスプレイ」も17機購入。
 ベルヘリコプター:「(オスプレイで)自衛隊との関係が深まった。少なくとも今後40年間は続く。さらに多くのオスプレイを購入してもらいたい」
 無人攻撃機「プレデター」を開発した企業も。
 ジェネラルアトミクス社:「日本政府が関心を示してくれれば(米政府の)輸出許可を取得しているので、手配しますよ」
 日米安保強化を受けて、アメリカからの武器の購入額が大きく膨らんでいます。さらに、保護主義を掲げるトランプ氏の当選で輸出攻勢が強まるのではとの懸念の声も。
 防衛省幹部:「トランプ氏になって、完成品をさらに高く売り付けられる可能性がある」

くわしくは動画で…

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