日銀の黒田総裁 来年の景気は「追い風」に[2016/12/27 07:05]

 日銀の黒田東彦総裁は、来年の景気について「風向きは逆風から追い風に変わりつつある」という見通しを示したうえで、2%の物価上昇率の達成に改めて強い決意を示しました。

 日本銀行・黒田東彦総裁:「この1年は企業経営者の方々にとっても、日本銀行にとっても厳しい1年でしたが、風向きは『逆風』から追い風に変わりつつあります」
 黒田総裁は、現状の経済については「改善の動きが広がってきた」という見方を示しました。そのうえで、来年については、中国など新興国経済の回復などを受けて「『チャンス到来』といえる状況が生じつつある」と楽観的な見通しを示しました。また、2013年から掲げてきた2%の物価上昇率については「潜在成長率が低いほどデフレに陥るリスクが大きくなるため、十分なのりしろが必要だ」として「低めの物価上昇率を目指すべき」とする意見に強く反論しました。日銀は11月の金融政策決定会合で、2%の達成時期のめどを「2017年度中」から「2018年度ごろ」に遅らせましたが、金融緩和の効果に限界を指摘する声も強まっていて、来年も難しい判断を迫られそうです。

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