大学での軍事研究 討論会で研究者ら“反対多数”[2017/02/05 00:51]

 大学での軍事研究を認めるかどうか、科学者の代表機関である「日本学術会議」が公開討論会を行いました。研究者からは、これまで通り認めるべきではないという意見が圧倒的多数を占めました。

 東京大学大学院理学系研究科・須藤靖教授:「結局は基礎研究の弱体化につながる」
 先端医療振興財団・福島雅典臨床研究情報センター長:「果てしない軍拡競争を招くんです」
 未来工学研究所・西山淳一研究参与:「弾道ミサイルと宇宙ロケットは同じなんです。乗っけるものが爆弾か人工衛星か、宇宙船か」
 大学での軍事研究を認めることについては反対の意見陳述が多かったうえに、会場の研究者からは慎重や反対の意見が圧倒的多数を占めました。
 青山学院大学大学院・羽場久美子教授:「戦争に向かわないための科学とはどうあるべきか考えて頂きたい」
 公開討論のきっかけは、昨年度から防衛省が軍事に応用できる研究に予算を付ける制度を始めたからです。これまで日本学術会議は「戦争目的の研究は行わない」という原則を決議し、大学もこれを踏まえて軍事研究を拒否してきました。しかし、研究費が削られるなかで、この原則を見直すべきか議論を行ってきました。日本学術会議では、公開討論会の議論を踏まえて、この春に最終的な結論を出す方針です。

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