厳しい経営が続く東芝は11日に2回、延期した決算の発表期限を迎えました。今年2月は原発子会社の経営者が損失を小さく見積もるよう圧力をかけた疑惑が発覚、監査法人と折り合わず、発表を延期。3月には監査法人が過去にさかのぼって調査が必要だと主張し、またもや延期。ついに11日、東芝は監査法人のお墨付きなしでも発表に踏み切る方向です。
(経済部・岸田慎介記者報告)
取締役会が終了しました。東芝は金融機関に対し、監査法人の承認を得ずに決算を発表する方針を伝えたということです。決算発表を巡っては、さらに調査が必要性だと主張する監査法人と、決算に影響はないと承認を求めた東芝の両者の溝は最後まで埋めることができませんでした。東芝はこれ以上、決算を延期するのは株主に「説明がつかない」と判断し、監査法人の承認を付けないという異例の発表方法を選択するものとみられます。しかし、監査法人のいわゆる「お墨付き」を得ていないため、東証のルール上、上場廃止となる可能性もあります。今後、東京証券取引所が上場維持の審査でどんな判断を下すのかが焦点となります。東芝は夕方には会見を開き、今回の決算の背景について説明する予定です。しかし、東芝への不安は金融機関にも広がっていて、今後、地方銀行などの「東芝離れ」が加速する恐れもあります。
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