異次元緩和いつまで?日銀の金融政策に手詰まり感[2017/10/30 11:51]

 日銀が金融政策などを話し合う政策決定会合が始まります。株価はこのところ、16日連続の値上がりもあって2万2000円を挟む水準です。日銀は異次元の金融緩和で株を買い支えてきましたが、これだけ上がっても異次元緩和をやめるにやめられません。背景には来年4月の黒田総裁の任期、9月の安倍総理大臣の自民党総裁の任期、さらに2019年10月の消費税10%への増税があります。

 株の購入については、日銀内でも「今やめなくていつやめるんだ」というぐらい冷ややかな見方も出ています。今回の会合では、景気は良いものの物価目標である2%の達成はまだ遠いとして、金融緩和の「現状維持」を決める見込みです。欧米の中央銀行が緩和の縮小に向かうのとは反対に日銀の緩和は長期化する懸念が出ています。理由の一つが総選挙での自民党の勝利です。アベノミクスの継続が決まり、第一の矢の日銀もこれに同調せざるを得ません。さらに、再来年の消費税増税や安倍総理が何としても手掛けたい憲法改正に向けて支持率を維持するため、財務省内では財政出動を行うとみていて、日銀も低金利を維持するために国債を買い支えたり、円安・株高につながるような金融緩和を続ける必要があります。日銀では先月、安倍政権に近い委員が追加緩和の必要性を言い出すなど出口どころか、さらに緩和に突っ込む可能性も出ています。

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