三保松原の登録の裏に “人脈”と地道な努力[2013/06/23 17:35]

 世界文化遺産への登録が決まった富士山。古くから富士山と一体で親しまれてきた「三保松原」の文化的な価値が認められた背景には、政府と地元が一体で進めたロビー活動がありました。

 (河野太一記者報告)
 イコモスによる除外勧告が出されてから、文化庁の近藤長官を中心とする日本政府代表団は、電話やメールなどでユネスコの各国の委員に働きかけを強めていました。富士山の魅力もさることながら、今回はこうした地道な努力が功を奏した形です。
 静岡県・川勝平太知事:「近藤長官の場合は、前のユネスコ大使でもあったので、イコモスとのつながりもあった。関係者に働きかけられたということは、その直後にいろいろ聞いて、本当にありがたかった」
 川勝知事の話にもあるように、近藤長官はユネスコ大使の経験者で、その後も日本代表委員を務めるなど、ユネスコとの関わりが深く、今回は、これまで培ってきた人脈を生かしたロビー活動だったといえます。日本の代表団は富士山の審議が始まる4日前にカンボジア入りし、個別に富士山と三保松原の「一体性」を訴えました。最終的な各国の支持には「人脈」がうまく作用したのかもしれません。今後は世界遺産「富士山」の価値を保つため、環境破壊や景観の保全などの課題に対処していくことになります。

こちらも読まれています