“最新兵器”パレードで 習政権の力、内外に誇示[2015/09/03 11:45]

 中国は、抗日戦争の勝利70年を記念する大規模な式典を開催し、現在、軍事パレードが行われています。

 (山本志門記者報告)
 北京では3日、雲一つない、すがすがしい青空が広がっています。天安門前では、1万2000人の兵士や数多くの最新の兵器が披露されています。そして、習近平国家主席が演説し、「中国は世界の大国の地位を確立した」と強調しました。
 中国・習近平国家主席:「中華民族が不撓不屈(ふとうふくつ)で日本軍国主義の侵略者を徹底的に打ち負かした。中国は世界の大国の地位を新たに確立した」
 そのうえで、中国脅威論に配慮し、これからも平和発展の道を歩むとしたうえで、軍の兵士を30万人削減すると発表しました。天安門の上、主席台には、習主席の隣にロシアのプーチン大統領、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が続きました。両国との固い結束を特に強調した形です。また、これに加え、北朝鮮の金正恩第1書記の側近・崔竜海(チェ・リョンヘ)労働党書記など合わせて31カ国の首脳級が出席しています。一方で、中国の軍事的拡大に警戒感を持つ日本や多くの欧米主要国は、首脳の参加を見送りました。軍事パレードでは、アメリカ全土を射程に複数の核弾頭が搭載可能な大陸間弾道ミサイルなどアメリカを牽制(けんせい)する新しい兵器も初めて披露されています。しかし、一方で、市民生活にも影響が出ています。北京市内では広範囲で通行止めとなっているほか、空港の閉鎖や北京に近付く車両の検問など、テロを警戒して厳戒態勢が敷かれています。習主席にとって国家的な威信をかけた今回の式典は、自らの確固たる政治的な力を国内にも国際的にも見せつけようとする狙いがあります。

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