FRB(連邦準備制度理事会)が今回、利上げを決定した背景には、アメリカのどのような経済状況があるのでしょうか。ニューヨークから報告です。
(岡田豊記者報告)
一時、10%を超えた失業率が5%まで改善したことが大きな根拠になっています。しかし、優秀な若者が就きたい仕事に就けないという現実、これが深刻な問題となって広がっています。アメリカでは、大学の新卒者が能力に見合った職に就けず、パートなどで働く「不完全雇用率」が約15%に上昇し、リーマンショック前より悪化しています。目先の効率を重視する企業が新卒よりも経験者を採用する傾向を強めているためで、新たな格差問題になっています。一方、ゼロ金利の影響で、株や不動産を持つ人がより豊かになり、所得格差が拡大しています。
みずほ総研ニューヨーク・新形敦事務所長:「(米国は)金融政策はしっかりやったが、政府の方の対応が追い付いていない。結果として格差の問題が残っている。構造問題は金融政策では解決できない」
アメリカが抱える課題は、日銀の金融政策に依存し、いまだに構造改革の道筋を示せていない日本の教訓となりそうです。
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