北朝鮮へ拡声器放送開始 天気予報までも…なぜ?[2016/01/08 17:56]

 韓国政府は、北朝鮮の行った核実験を「異常事態」と判断しました。金正恩第1書記の誕生日とされる8日、核実験の対抗措置として韓国側が北朝鮮に向けた宣伝放送を始めました。去年8月に韓国の拡声器放送に反発して北朝鮮が砲撃を行った南北軍事境界線近くの街から報告です。

 (大野公二記者報告)
 (Q.街の今の様子は?)
 不安で、今後の北朝鮮の動きを注視しているという状況です。韓国軍も北朝鮮の動きを警戒して、前線地域一帯の警戒レベルを最高水準にまで引き上げました。報告を行っている場所から先、北に続く道は8日、すべて封鎖されました。韓国側が正午から始めた巨大スピーカーによる放送は、毎日、2時間から6時間程度、時間を決めずに不規則に行われるということです。放送の内容はニュースや天気予報、最近のヒット曲など、相手が興味を持って聞きたくなるものと、金正恩体制を批判する内容を組み合わせて放送しているそうです。北朝鮮が巨大スピーカーを狙って砲撃してくる可能性があるため、今後は移動式のスピーカーも導入する予定です。
 北朝鮮に向かって巨大スピーカーでなぜ天気予報を放送するのか取材すると、例えば「あしたは雨が降るから洗濯物を干すな」といった生活に密着する内容が流されます。すると翌日、本当に雨が降ります。北朝鮮の予報とは精度も細かさも違うわけです。こういった経験を繰り返すと、放送を聞いている北朝鮮軍兵士も知らず知らずに段々、韓国側の放送内容を信じてしまうのだそうです。こういった効果を狙って、天気予報が放送されているということだそうです。

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