個人的な動機で犯行か? エジプト機ハイジャック[2016/03/29 17:53]

 エジプト航空の旅客機がハイジャックされました。乗客の一部は解放されましたが、まだ4人の乗客と乗員が機内に残っています。

 (荒木基記者報告)
 ハイジャックされたエジプト航空機は、実行犯の要求でキプロスのラルナカ空港に着陸しました。エジプト政府によりますと、飛行機には乗客55人、乗員8人が乗っていて、実行犯は1時間ほど前にエジプト人乗客以外の客を飛行機から降ろし、今、中にはエジプト人以外の乗客4人、そして乗員が残されているということです。この残された乗客に日本人が含まれているという情報は、今のところありません。この飛行機は29日午前6時半にアレキサンドリアを出て、午前7時すぎにはカイロ空港に到着予定でした。実行犯は機長に「自爆ベルトを持っている」と脅して、行き先をキプロスに変更させた模様です。また、エジプト航空によりますと、爆発物そのものはまだ確認されていないということですが、「機長が安全のために男の要求に従ったのだろう」と話しています。
 実行犯はエジプト人の男とみられていて、元妻がキプロスにいるという情報があります。また、この男が元妻に宛てた手紙を滑走路に投げ入れ、元妻がラルナカ空港に連れてこられているという情報が入ってきています。いずれにしても、テロではなく個人的な動機が今回の事件の要因だとみられています。エジプトでは、去年10月に起きたロシア機の墜落事件以降、空港のセキュリティー態勢の不備が問われ続けていました。実行犯が本当に爆弾を持ち込んだのかどうかはまだ定かではありませんが、事件以降、目に見えてチェック態勢が強化され、また欧米の会社の協力も得て、空港のセキュリティー態勢そのものも、今後、改善されようとしていた矢先の出来事でした。実行犯とキプロス警察との間の交渉は今も続いています。

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