北朝鮮“新体制”祝うパレード 記者が見た正恩氏は[2016/05/10 16:54]

 北朝鮮の平壌市内では大規模な祝賀パレードが行われました。

 (醍醐穣記者報告)
 (Q.取材の期間を延ばして、海外メディアに取材させたかったのはこのパレードということか?)
 新たな指導部が並んだこのパレードですが、パレードがあることを知らされたのが10日午前1時でした。開始時間は全く知らされず、午前5時半にホテルのロビーに集合するよう伝えられただけでした。集合の際、携帯電話やパソコンなどカメラ機材以外すべてホテルに置いて集合するよう言われました。ホテルとは別の場所で2時間ほどかけて入念なチェックが行われました。その後、会場に移動しますが、そこでもすべての荷物をスキャナーに通してチェックする入念ぶりで、実際にパレードが始まったのは午前10時半でした。去年10月の軍事パレードの取材も同じ場所でしましたが、その時よりもチェックが厳しくなってきたように感じます。世界でもセキュリティーが最も厳しいとされるアメリカ大統領の取材と同じくらいに感じました。
 (Q.パレードを見守る委員長となった金正恩氏はどのような様子だったか?)
 金委員長は、党大会の時と同じ眼鏡を掛けた姿でした。去年の軍事パレードの時より穏やかな表情でパレードを見守っていたように思います。その間、政治局常務委員のメンバーと談笑する様子がうかがえました。特に、経済通の朴奉柱(パク・ポンジュ)首相は、今回の党大会で党の事業を指導する機関の一つである中央委員会の委員に選らばれた妹の金与正(キム・ヨジョン)氏とみられる女性から、直接、パレードの説明を受けるような場面もありました。ちなみに、この与正氏はこういったパレードなどの党の宣伝を担当しているといわれています。今回のパレードでは、ミサイルなどの出し物のほか、軍事、宇宙、経済といったスローガンが多数みられました。党大会で打ち出した核開発と経済優先の両方の目的を実践していくということを内外に強くアピールする目的があったものとみられます。

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