日本の国内感情に配慮 会見では終始硬い表情[2016/05/26 05:51]

 安倍総理大臣は25日夜、伊勢志摩サミットのため来日したアメリカのオバマ大統領と会談し、沖縄で女性が遺棄された事件について強く抗議しました。オバマ大統領は会見中、終始、硬い表情を崩しませんでした。

 オバマ大統領の反応は、有効な再発防止策を打ち出せないことや広島訪問とも絡めて日本側に謝罪しにくい状況にあることを反映しています。オバマ大統領は「たとえ軍属であれ、事件はショックだ」とやや第三者的に感想を述べました。これは、軍属は基地で働いているものの、軍の一員ではなく、管理しきれないというアメリカ側の本音がにじみ出ています。このため、再発防止策についても具体的な回答はありませんでした。また、カーター国防長官は先日、中谷防衛大臣に謝罪しましたが、オバマ大統領の口からはありませんでした。これは、アメリカ国内で「広島訪問で原爆投下を謝罪するのでは」という見方がくすぶっているため、たとえ違うテーマでも今回の訪問で日本側に謝罪したと受け止められるのを避けたとみられます。オバマ大統領は広島訪問で日米和解を演出し、在日アメリカ軍への悪感情の改善も狙っていましたが、その思惑は外れそうです。

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