英国に広がる“分断” 残留派は抗議 離脱派は…[2016/06/25 16:41]

 EU(ヨーロッパ連合)を離脱するという衝撃的な結果を、一夜明けた市民の人々はどう受け止めているのでしょうか。

 (岡田豊記者報告)
 25日午前8時半すぎのロンドンの繁華街では、これから人が増えてくるとは思いますが、離脱に投票した人に話を聞くと「EUの言いなりになっていたら、生活や経済が良くならない」と言っていました。マーケットは世界中で同時株安になってしまいましたが、「マーケットはすぐ回復する」と言っていました。離脱すれば生活や経済が良くなる保障はありませんが、「離脱に賭けてみたい」という思いがにじみ出ていました。残留派ですが、午後に議会の前で離脱に反対する集会を開く予定にしています。そして、両替所では少し変化があります。EU離脱でイギリス経済に支障が出るという見方から、通貨のポンドが急落しました。31年ぶりの安値を付けていますが、ドルなど海外の通貨を両替するとポンドが多く手に入るようになり、旅行者などが「得をした」というようなことを言っていました。
 米ドルをポンドに交換した人:「とてもいいタイミングだ。交換するポンドが増えてうれしかった」
 しかし、通貨のポンドが極端に安くなるのはイギリスにとって好ましいことではありません。経済の先行き不安も高まっていることから、大手格付け会社がイギリスの国債を格下げする検討を始めました。一方、アメリカの複数の大手銀行がイギリスにつくった法人、企業の規模縮小を検討しています。実際に見直しが相次げば、世界有数の金融センター、ロンドン・シティが地盤沈下しかねません。イギリスがEUから実際に離脱するのは2年以上先になりますが、イギリス国民の生活にじわりと影響が出てくるのは、それより早くなるかもしれません。

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