南シナ海「判決は茶番劇、紙屑…」中国が痛烈批判[2016/07/13 17:11]

 南シナ海を巡る国際的な裁判で中国の主張が全面的に退けられる形となり、裁判を起こしたフィリピン側などは歓迎の意向を示しています。一方、外交上敗北した形となった中国側は猛反発しています。

 (冨坂範明記者報告)
 中国外務省は13日朝に緊急会見を開き、「仲裁裁判所の判決は無効だ」と主張しました。会見では外国人記者向けに8カ国の言葉で作られたパンフレットを配るなど、アピールの必死さがうかがえました。中国側は5人の裁判官のうち4人がヨーロッパ人に偏っていることや裁判官の報酬がフィリピン側から出ていることから「公平ではない」と指摘し、判決は「法律の衣をまとった茶番劇」だと痛烈に批判しています。
 中国・劉振民外務次官:「フィリピンは判決が紙くずにすぎず、執行できないと認識して、判決を棚上げして対話のテーブルに戻るよう希望する」
 そのうえで、中国側は「判決の棚上げ」を条件にフィリピン新政権との直接対話を望む考えも示しました。経済援助などをちらつかせて切り崩し、判決を骨抜きにしようという考えです。一方、南シナ海に対する防空識別圏の設定についても「中国には当然、その権利がある」と強気の姿勢です。今後は、国際社会による中国包囲網を阻止するためにも日本やアメリカへの圧力も強める考えです。

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