“異例”共同声明出せず 南シナ海巡りASEAN外相[2016/07/25 11:50]

 ASEAN(東南アジア諸国連合)外相会議では、南シナ海問題を巡る仲裁裁判の判決を中国に尊重するように求める内容を共同声明に盛り込めず、声明が出せない異例の事態になっています。

 (登島貴之記者報告)
 24日のASEAN外相会議で共同声明を出すことができなかったことを受け、会場では急きょ、改めて外相会談が開かれました。ASEAN外相会議では、中国と経済的な結び付きが強いカンボジアなどが中国の代弁者的な立場で、南シナ海を巡る文言について共同声明に織り込むことに強く反発しています。中国と領有権を争うフィリピンなどは自らの主張を現段階では取り下げる様子はなく、ASEANが一枚岩ではないことが浮き彫りとなっています。一方、中国ですが、午後に王毅外相がラオスに入り、カンボジアやブルネイなどと個別会談を行いました。「南シナ海問題は当事国同士で解決すべき」というこれまでの中国政府の主張を繰り返しているとみられます。25日は、仲裁裁判所の裁定の受け入れを中国に強く求める日本やアメリカなどがASEANとの外相会談を行います。南シナ海問題を巡り、各国の間で激しいやり取りが続いています。

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