米では各局が「カストロ前議長、死去」を報じる[2016/11/26 16:26]

 フィデル・カストロ前国家評議会議長の死去は、アメリカではどのように受け止められているのでしょうか。ワシントンから報告です。

 (山下達也記者報告)
 アメリカはこの週末は4連休で今は深夜ですが、各局が「カストロ前議長、死去」を報じています。過去には死亡説が何度もありましたが、このところなかったので、国民にとっても大きなサプライズだろうと報じられています。そして、3月にキューバを訪問したオバマ大統領はまだコメントしていません。訪問した時は、弟のラウル議長とは会談しましたが、カストロ前議長とは結局、会談しませんでした。これは、国交は正常化したものの、キューバでの人権問題についてアメリカ国内で批判があるということにも配慮して見送った形になりました。また、次期大統領のトランプ氏もまだリアクションしていません。オバマ大統領のレガシーを何でも潰そうとしているトランプ氏ですが、実はキューバとの国交正常化については特に批判していません。例えば、トランプホテルをハバナに進出させたいのか、または、共和党の支持層の財界と同じように隣の国で人口1100万人あるというキューバを大きなビジネスチャンスと捉えているようです。人権問題は改善されていませんが、カストロ前議長の死去も節目として、トランプ政権でさらにビジネス関係が深まるということになりそうです。ただ、3月の時点でキューバ国民にトランプ氏について聞いたところ、「トランプ氏は移民を嫌っている。だから許せない」という声が大きくありました。キューバ国民はアメリカへの移住を夢のように思っている人も多いので、トランプ氏の言動には警戒感が強いという状況だと思います。

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