トランプ氏の発言が影響? メキシコ経済、混乱続く[2017/01/16 11:50]

 メキシコではトランプ氏が大統領選で勝利して以降、通貨「ペソ」の下落が止まらないなど、経済への不安が広がっています。メキシコの国境地帯から報告です。

 (西尾哲也記者報告)
 移民希望者が集うティフアナでは2万人規模のデモが発生し、一部のデモ参加者が国境に押し寄せる事態となりました。きっかけは去年の年末にメキシコ政府が発表したガソリンの大幅な値上げで、これに伴い、食料品や電気代も軒並み値上がりしました。歯止めの掛からない物価上昇に市民の怒りは頂点に達し、各地の商店やガソリンスタンドで略奪行為が相次いでいます。また、現地の日本人学校も一時、休校となりました。
 デモ参加者:「(物価上昇は)腹立たしい。無力感が募る。毎日の交通費、食費、牛乳、パン、薬などが値上がりしている。ガソリンは運搬に必要だから」
 また、11日のトランプ氏の会見直後にはペソが最安値を更新するなど、メキシコ政府もトランプ氏の発言に神経をとがらせていて、経済相は15日、仮にトランプ氏が国境税を導入した場合、対抗措置を取ることを明らかにしました。今後、メキシコ経済の混乱に拍車が掛かる可能性もありますが、これ以上、市民の生活が苦しくなればかえって移民希望者が増えるのではないかとの見方も出ています。

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