米との対立避けたい中国、反発しつつも冷静さ保つ[2017/02/04 16:42]

 日本を訪問しているマティス国防長官は4日、稲田防衛大臣と会談しました。中国はどのような反応を見せているのでしょうか。

 (山本志門記者報告)
 尖閣諸島が日米安保条約の適用対象とした確認は、中国政府にとって旧正月の春節気分が吹っ飛ぶくらいの、まさに耳障りなニュースになったことは間違いありません。中国外務省は早速、尖閣諸島は「中国固有の領土だ」と反発しました。そのうえで、日米安保条約についても「冷戦時代の産物だ」としてアメリカ側に釘を刺しました。中国中央テレビも、春節の特別番組の放送の合間にトップニュースで伝えました。このなかで、専門家は「アメリカの立場はこれまでと変わっていない。アメリカの本音は紛争に巻き込まれないようにするはずで、日本のために火中の栗は拾わないだろう」とむしろ冷静に分析しています。一連の反応で、中国側は一定の反発はしているものの、ヒートアップしないようコントロールもされています。トランプ大統領が実際の行動としてどう出てくるのか、まずは見極める。最初から対立は避けたいというのが中国側の一貫した戦略なためです。しかし、電話会談がいまだに実現していないように、習近平主席にとってもトランプ大統領との距離を測りかねている、そんな苦しさもまた透けて見えます。

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