毒物の製造拠点?捜索で化学物質の痕跡 地元報道[2017/02/25 11:46]

 金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件で、すでに逮捕された北朝鮮国籍の容疑者の自宅近くのマンションが毒物の製造拠点だった可能性があるとして、警察が捜索していたことが分かりました。クアラルンプールから報告です。

 (鈴木彩加記者報告)
 マレーシア警察は24日、科学捜査班などとともにクアラルンプール市内にあるマンションで、テーブルや本棚などを6時間にわたって詳しく調べたと地元メディアが報じました。記事によりますと、その結果、化学物質の痕跡が見つかったということですが、量や見つかった場所については明らかになっていません。警察はこの物質についてこれから詳しく分析するとしていますが、正男氏の遺体から検出された神経性の猛毒「VX」の可能性があると考えられるということです。このマンションはすでに逮捕されている北朝鮮籍の男、リ・ジョンチョル容疑者の自宅からわずか2キロほどの場所です。その一方で、マレーシア国内における北朝鮮への反発は日に日に強まっています。24日、マレーシアの外相は北朝鮮側に対して「妄想にとらわれてマレーシア政府への非難を続けている」と不快感をあらわにしました。さらに、海外メディアによりますと、マレーシア政府は北朝鮮大使を国外追放することや平壌のマレーシア大使館の閉鎖なども検討していると伝えていて、両国の関係悪化はさらに深まりそうです。マレーシア警察は25日、改めて記者会見をする予定で、捜査の進捗(しんちょく)状況について注目が集まっています。

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