メンツつぶされた形…首脳会談最中の攻撃で中国は[2017/04/07 11:48]

 シリアで化学兵器によるとみられる空爆で多数の死傷者が出たことを受け、アメリカのトランプ政権はシリア政府軍の施設を巡航ミサイルで攻撃しました。中国でもこのニュースは速報で伝えられました。北京から報告です。

 (冨坂範明記者報告)
 米中首脳会談の真っただなかに行われたアメリカによるシリア攻撃について、中国国内でも驚きが広がっています。中国の国営メディアはアメリカメディアの引用として、米軍による攻撃を速報で伝えました。中国国営テレビは「事実関係が明らかになっていないなか、一部の欧米国家が矛先をアサド政権に向けている」と伝えています。中国はこれまでも、シリア問題については武力行使に一貫して反対し、政治的な解決を求めていました。今回の攻撃の原因となった化学兵器の使用についてもアサド政権による使用とは断定せず、「客観的で公正な調査を行い、確実な証拠に基づいて判断をすべきだ」と国連大使が釘を刺したばかりです。また、習近平国家主席がフロリダを訪れて米中首脳会談が行われている最中に中国の主張を無視してアメリカが単独で武力行使を行ったことは、中国にとってメンツを潰された形になります。トランプ大統領との信頼関係を目指す習主席が今後の会談でシリア問題にどれぐらい触れるかは不透明ですが、難しい対応を迫られることになります。

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