共同経済活動は「チャンス」領土でロシアの思惑は?[2017/04/28 17:03]

 今回の日ロ首脳会談で最も重要なテーマは北方領土問題です。元島民による墓参りや、去年、山口県の「長門会談」で示された日本とロシアによる共同経済活動について新たな合意がありました。合意された内容について、ロシア側はどのような反応を示しているのでしょうか。モスクワから報告です。

 (長谷川由宇記者報告)
 ロシア側は今回の会談で、プーチン大統領が安倍総理大臣に華を持たせた形だというように受け止めています。ロシアメディアは、「安倍総理がプーチン大統領に感謝」というような見出しを取っていて、航空機を使った墓参りについて、プーチン大統領は「歴史的な決断をした」などとおおむね好意的に報じています。ただ、一方の共同経済活動について、北方領土の住民は「単なるビジネスチャンス」としては歓迎していますが、日本側が狙う領土問題の交渉につながることには「絶対にあり得ない」と強い拒否反応を示しています。今回の会談で比較的譲りやすい部分については譲歩したロシア側ですが、島の領有権につながる核心的な部分での強硬的な態度は変わっていないため、領土問題解決への道のりはまだまだ長いというのが現実です。

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