北朝鮮巡り米国務長官「核攻撃は現実味帯びる」[2017/04/29 05:50]

 北朝鮮の核問題を協議する国連の安全保障理事会の閣僚級会合が開かれ、アメリカのティラーソン国務長官は「東京やソウルへの核攻撃は現実味を帯びている」と危機感を示しました。

 (西尾哲也記者報告)
 ティラーソン長官は会議の冒頭で、「今、行動を起こさなければ最悪の結果を招きかねない」と切り出し、事態の深刻さを訴え掛けました。
 アメリカ、ティラーソン国務長官:「ソウルや東京への北朝鮮による核攻撃の脅威は現実味を帯びている。北朝鮮が米国本土を攻撃する能力を持つのも時間の問題と思われる」
 岸田外務大臣:「この脅威は単なる仮想ではない。一般市民にとっては、まさに現実の脅威だ」
 ティラーソン長官は、北朝鮮への石炭の輸出を禁止すべきだと具体的な提案をする一方、「さらなる挑発には、積極的な軍事行動を取る用意がある」と述べ、先制攻撃の可能性についても含みを持たせました。また、安保理に先立って行われた日米韓の外相会談では、中国の役割が大きいとの認識で一致しました。一方で、中国の王毅外相は「予期できないことがかなりの確率で起こるだろう」と述べ、これまでにない強い危機感をあらわにしたものの、対話による解決という従来の姿勢は崩しておらず、日米韓が主張する追加制裁への道筋は依然として不透明な情勢です。

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