追い込まれてきたアメリカ “現状認め対話”の声も[2017/08/11 17:00]

 北朝鮮のミサイル発射計画に対し、トランプ節が止まりません。「グアムに何かすれば、北朝鮮で見たこともないようなことが起こる」と警告しました。この発言はどこまで本気なのでしょうか。

 (高羽佑輔記者報告)
 トランプ大統領は一般的には予測不能とされ、報復行動に出る可能性も考えられますが、メディアや議会からは懐疑的な見方が出ています。政権内ではケリー首席補佐官をはじめとして、高官のほとんどがトランプ大統領の一連の過激な発言を支持していないとみられています。また、良識派とされるマティス国防長官は9日に「体制の終わり」という言葉を使って非常に強い声明を出し、メディア関係者を驚かせました。しかし、翌日には平和的な解決を強調し、軌道修正を図りました。トランプ大統領の過激な発言が続いたため、バランスを取り、冷静な姿勢を示した可能性があります。
 (Q.アメリカは本当にグアム周辺へ発射すると考えてる?)
 アメリカ軍は、北朝鮮がミサイルを発射することを想定して準備を進めています。ただ、そこでミサイルが迎撃されると、北朝鮮がさらにミサイルを発射して、結果的に戦争に突入することを懸念する声もあります。また、迎撃に失敗すればアメリカへの信頼が損なわれることになり、難しい状況に追い込まれています。ところが、ここにきて安全保障の専門家からは、北朝鮮の現状を認めたうえでの対話を求める声が聞こえてくるようになりました。アメリカは核を手放すことを求めていますが、金正恩委員長の体制を保証する代わりに核・ミサイルの開発をこれ以上、進めずに凍結させるという交換条件、こんな提案をする専門家も出てきました。しかし、この提案が現実になってしまったら韓国や日本は北朝鮮の脅威に対してさらされ続けることになります。

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