石油“全面禁輸”避けたい中国 拒否権行使は…[2017/09/11 17:01]

 中国は制裁決議に対し、拒否権を行使する可能性はあるのでしょうか。北京から報告です。

 (前田輔記者報告)
 中国としては、ある程度の制裁強化はやむを得ないと判断していたと思いますが、連日の中国メディアの報道でも、石油の全面禁輸だけは絶対に避けたいと考えていたと思います。先ほど行われた中国外務省の会見では、「国連安保理では十分な議論で一致した見解を望む」と強調しています。ある中国共産党関係者は、「石油の全面的な禁輸が実施されれば、中朝関係は完全に終わってしまう」と話していましたから、今回の事前協議でも、中国が石油の全面禁輸を外すよう強く主張したことは容易に想像できます。一方で、北朝鮮の外貨獲得源だと指摘されている、労働者の国外派遣ですが、中国では年間10万人が働いているといわれています。取材した吉林省にある工場の中国人経営者は、「安い費用で雇えるから、北朝鮮労働者は欠かせない」と話していました。中国の王毅外相は、先週、追加制裁に前向きな姿勢を示しながらも、問題解決の半分の鍵は「対話だ」と強調していました。制裁強化によって中国国内の経済活動に影響し、国内の不満噴出を避けたい考えがあると思います。

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