北への“最強制裁”から譲歩 米中ロが水面下で交渉(2017/09/12 16:58)

 国連の安全保障理事会で、北朝鮮に対する追加制裁決議が全会一致で採択された。果たして、この決議にどこまでの効果があるのか、北朝鮮はどう反発してくるのか。検証する。

 11日、国連安保理で各国の思惑が渦巻くなか、北朝鮮への新たな制裁決議が採択された。北朝鮮の核実験から、1週間という異例のスピードでまとまった制裁決議。その舞台裏ではアメリカと中国、ロシアなどの間で熾烈(しれつ)な駆け引きが繰り広げられていた。交渉は採決ぎりぎりまでもつれ込んだという。
 アメリカ、ヘイリー国連大使:「これまで北朝鮮に科されてきたもののなかでも、ずば抜けて強い制裁です」
 石油の全面禁輸など、最強といわれたアメリカによる制裁案。だが、結果的にはトーンダウンしたものとなった。まず、北朝鮮への原油の輸出量は過去1年分に相当する量が上限とされた。禁輸から事実上、現状が維持されるものに修正されたのだ。また、金正恩委員長の資産凍結も項目から外された。北朝鮮の外貨収入源となる繊維製品の輸入は禁止となったが、出稼ぎ労働者については強制送還から新規受け入れ禁止とされたのだった。強力な制裁に慎重な中国やロシアに譲歩した格好だ。
 中国・劉国連大使:「北朝鮮が安保理決議を遵守(じゅんしゅ)し、これ以上のミサイル発射実験・核実験を行わず、非核化へと回帰することを中国は強く求める」
 一方、アメリカは繊維製品の輸入禁止と出稼ぎ労働者の受け入れ禁止で13億ドル、日本円で約1400億円の外貨収入をカットできると強調した。実はそもそも、アメリカ自身も石油の禁輸などすべてが受け入れられるとは考えていなかったとみられるのだ。これまで、8回の安保理の制裁では核やミサイルに使われる物資の禁輸や、北朝鮮からの金やチタンなどの鉱物資源の輸出を禁じるものなどだった。ところが、今回の制裁では初めて輸入する石油に関してまで踏み込むことができたのだ。アメリカはあえて厳しい制裁を示したうえで、ロシアと中国に譲歩を迫るという戦略を当初から描いていたとみられる。
 アメリカ、ヘイリー国連大使:「もし北朝鮮が危険な道を歩み続けるのであれば、我々はさらに圧力をかけ続ける。彼らの選択に掛かっている」
 その北朝鮮が思わぬ動きをみせている。北朝鮮外務省の幹部が姿を現したのはスイス。スイス外務省によると、アメリカや日本をはじめ、中国やロシアなど各国の政府関係者らが参加する国際会議に出席したのだ。その狙いとは、新たな制裁について各国の反応を確認。そして、アメリカ側と接触し、今後のトランプ政権の動向を探ることがあるとみられる。

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