北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定 米国9年ぶり[2017/11/21 11:48]

 アメリカは北朝鮮を再びテロ支援国家に指定しました。最初の指定は大韓航空機爆破事件を受けた1988年でした。その20年後に北朝鮮の核問題解決に向けて進展があったことから、いったん解除していました。しかし、今回、金正男(キム・ジョンナム)氏が化学兵器で殺害されたことや北朝鮮で拘束されたアメリカ人大学生が死亡したことをきっかけに再び指定しました。ワシントンから報告です。

 (高羽佑輔記者報告)
 この再指定は、アメリカが各国に対して北朝鮮に圧力を一緒に掛けようと促すメッセージです。
 トランプ大統領:「この指定は北朝鮮や関連する人にさらなる制裁や罰則を科し、殺人を犯す政権を孤立させるために最大限の圧力を加えるものだ」
 政権側の説明では、正男氏が殺害された事件で猛毒のVXガスが使用されたことが大きく影響しました。一方、中国の習近平国家主席の特使の北朝鮮訪問も見極めていましたが、指定に待ったを掛けるほどの成果はなかったと判断したとみられます。この再指定は日本の拉致被害者の家族も訴えていて、トランプ大統領も強い関心を示していました。北朝鮮は2カ月ほどミサイル発射をしていません。ティラーソン国務長官は「外交の望みはまだある」として最終的には対話に持ち込みたい思惑があります。ただ、北朝鮮からの反発は避けられない状況で、今後、ミサイルの発射などに出る恐れもあります。

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