「文学の多様性が重要」ノーベル賞イシグロ氏が講演[2017/12/08 11:49]

 今年のノーベル文学賞を受賞するカズオ・イシグロさんが授賞式を前に記念講演に臨み、「分断の時代のなかで文学の多様性が重要だ」と、その役割を強調しました。

 カズオ・イシグロさん:「私は初めて、急激に『日本のことを書きたい』という思いに駆られました。私が生まれた長崎の第2次世界大戦の最後の日々についてです」
 イシグロさんは5歳でイギリスに移住した自らの生い立ちや、戦後の長崎を描いた小説「遠い山なみの光」について触れ、「幼いころの日本の記憶を書きとめたかった」と回想しました。また、世界で極右思想や自国優先の考え方が広がっていると指摘し、より多くの声を生かした文学が重要だと強調しました。
 カズオ・イシグロさん:「この危険な分断の時代のなかで、私たちは耳を傾けなければなりません。良い作品を書き、読むことで壁は打ち壊されるのです」
 授賞式は10日、ストックホルムで行われます。

こちらも読まれています