「モランボン」初訪韓なるか 北朝鮮ペースで協議[2018/01/15 11:45]

 平昌(ピョンチャン)オリンピック参加を巡る韓国と北朝鮮の南北協議が15日午前に始まりました。協議は軍事境界線上にある板門店(パンムンジョム)で行われています。元々、韓国は前回と同じ韓国側の施設で話し合うことを求めていましたが、北朝鮮の要求をのみ、韓国メディアが入れない北朝鮮側の施設での開催となりました。また、議題も韓国側の提案ではなく、北朝鮮が求めた芸術団の派遣に関するもので、両者の間にずれが出始めています。

 (西村香織記者報告)
 協議は午前10時すぎから始まりましたが、韓国統一省によりますと、「全体会議はいったん、休憩に入った」ということです。15日は平昌オリンピックへの「芸術団派遣」にテーマを絞って、芸術団の構成やどのような公演を行うのかなどが話し合われているとみられます。南北それぞれ4人ずつの代表団で、北朝鮮側は金正恩委員長肝煎り(きもいり)の女性音楽グループ「モランボン楽団」の団長のほか、14日に急きょ、副室長とみられる人物が代表団に加えられていて、モランボン楽団の初めての訪韓が実現するかが焦点です。また、南北合同公演についての議論も行われている見込みです。一方、北朝鮮メディアは、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が年頭の会見で南北対話が始まったのは「アメリカが主導する制裁圧力の効果」などと述べて北朝鮮の非核化に触れたことに強く反発していて、オリンピック不参加の可能性もちらつかせて牽制(けんせい)しています。15日の芸術団派遣の協議は今後、訪問団全体をどうするのか決めるうえで非常に重要な話し合いとなります。

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