なぜ「芸術団」から協議?海外初公演アピールか[2018/01/15 16:58]

 平昌(ピョンチャン)オリンピック参加を巡る協議は、北朝鮮ペースで進んでいるようです。15日の協議には、金正恩委員長「肝煎り(きもいり)」の女性音楽グループの団長が出席していて、彼女に注目が集まっています。なぜ、オリンピックなのにまず、芸術団の派遣から協議する必要があったのでしょうか。

 (高橋政光記者報告)
 南北の楽団は一緒に公演したことがないので、内容をなるべく早く決めてリハーサルを進めるなど時間がかかるからなんです。北朝鮮としても金正恩委員長肝煎りのモランボン楽団を派遣すれば海外初公演となり、世界中に大きなアピールができます。ただ、モランボン楽団の公演は金委員長や核・ミサイルをたたえる政治色の強いもので、北京公演を土壇場でキャンセルした際も問題となりました。そのため、まずはどこまで実演できるかを韓国側とすり合わせておきたかったものとみられます。
 (Q.芸術団が韓国に来た場合、オリンピックの行事の一環として公演をする?)
 まず、考えられるのが平昌オリンピックの開会式、閉会式での公演ですが、これに加えてソウルなど韓国各地での公演をするのではないかとの見方も出ています。平和の祭典としてオリンピックを盛り上げたい韓国側も世界中の注目を集める場で南北融和を演出したいのは間違いありません。一方、北朝鮮側としては、韓国でどこまでニーズがあるのか探っているものとみられます。オリンピックまで残された時間はあとわずかですが、ぎりぎりまで調整が続けられそうです。

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