中国全人代開幕 任期撤廃の憲法改正 習政権一強へ[2018/03/05 11:50]

 中国では、今年一年の国政の方針を決める全国人民代表大会が開幕しました。2期10年になっている国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正が行われます。

 (山本志門記者報告)
 「習氏一強体制」をより強化するため、長期政権に向けた布石を打つ憲法改正が今回の大きな焦点です。
 李克強首相:「我が国の改革と発展が成果を収めるのは本当に容易なことではなかった。これは習近平同志を核心とする、党中央の力強い指導のたまものだ」
 李首相はそのうえで、「憲法に基づく行政を全面的に推進する。権力を決して好き勝手には用いない」と強調しました。また、今年のGDP(国内総生産)成長目標を前の年と同様、6.5%前後と発表したほか、アメリカとの貿易摩擦を念頭に「保護主義に反対し、自らの合法的な権益を断固として守る」と牽制(けんせい)しました。さらに、モバイル決済やシェアリングエコノミーで世界をリードして今後、さらに「デジタル中国」を進めていく考えを強調しました。今回の全人代では、2期10年までとする国家主席の任期を撤廃する憲法改正が可決する見通しです。会議では副主席や主要閣僚の人事も決定しますが、習氏に近い人物が登用される見通しで、政権2期目を盤石な権力基盤のもとで進めていこうという思いが強く打ち出されることになります。

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