体制維持に不可欠な対米交渉…正恩氏が“誘い文句”[2018/03/09 11:46]

 金正恩委員長がトランプ大統領との首脳会談を申し入れた背景には何があるのでしょうか。ソウルから報告です。

 (良永晋也記者報告)
 今回の面談にあたって、北朝鮮側からは核・ミサイルの凍結という言葉が持ち出されました。これはアメリカを交渉のテーブルに引っ張り出すための金委員長の「誘い文句」といえそうです。厳しい制裁の影響で北朝鮮の経済は行き詰まっています。金委員長は、まずは制裁解除をアメリカと交渉し、最終的には平和条約を締結することを目指しています。そうすれば核を持たずに経済発展に専念できるようになり、自身の最高指導者としての体制が維持できると考えています。一方の韓国ですが、米朝の「橋渡し役」として一定の結果を出したといえます。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率も最新の調査では71%と急激に上昇していて、国民も一連の流れを肯定的に受け止めているようです。急転直下の米朝首脳会談で、金委員長からトランプ大統領も納得できる非核化への道筋を示すことができるか、これが今後の焦点となります。

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