正恩氏の本気度は? 非核化に向け“方針転換”[2018/04/21 21:01]

 21日朝早くに驚くべきニュースが飛び込んできました。北朝鮮が核実験場の廃棄などを表明しました。北朝鮮はなぜこのタイミングで大胆な方針転換をしたのでしょうか。

 (高橋政光記者報告)
 やはり目前に迫った南北、そして米朝首脳会談に向けて、まず国民が混乱しないよう非核化と経済発展にシフトする方針を明確にしたと言えます。
 金正恩委員長の積極外交への本気度もうかがえます。今年に入ってから韓国と急接近するだけでなく、中国とも関係を改善し、最終目標ともいえるアメリカとの対話に照準を合わせています。北朝鮮は金委員長の意向がすべてと言えますが、公の場でのステップも踏み、信頼できる交渉相手だと訴える思惑があります。また、アメリカのポンペオCIA(中央情報局)長官の極秘訪朝の後にも平壌にアメリカの実務担当者が残り、米朝首脳会談に向けた交渉を続けているんです。この交渉が方針転換の表明を後押しした可能性があります。
 交渉はおおむね順調に進んでいるものの、難航しているのが会談を開催する場所なんです。北朝鮮としては、アメリカに非核化という成果を持ち帰ることができるとアピールし、平壌開催を引き出す狙いもあります。一方のアメリカは、平壌で開催すると北朝鮮の宣伝に利用されると警戒して譲らない構えですが、まもなく結論が出る見通しです。

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