南北にとって“宣言”は満額回答 このあと晩餐会へ[2018/04/27 18:26]

 両首脳は夫人とともに晩餐会(ばんさんかい)に向かいました。プレスセンターから報告です。

 (高橋政光記者報告)
 金正恩委員長の夫人の李雪主(リ・ソルジュ)氏が板門店(パンムンジョム)に到着し、記念撮影を行いました。現在、プレスセンターに映っているのは、韓国側施設の「平和の家」の外観になります。これから開かれる晩餐会の準備が進められているものとみられます。文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩委員長が板門店宣言を発表しました。金委員長は北朝鮮の最高指導者として、初めてテレビの生中継のなかでの記者会見となりました。そして、最大の焦点だった非核化ですが、完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現するという言葉を明文化したわけです。もう一つ、大きな柱としては朝鮮戦争の終戦宣言というのをして、停戦協定を平和協定に転換すると。そしてこれが重要ですが、これからアメリカ、中国とも対話を進めていくということを話しています。非核化についてはちょっともの足りないところもあるかと思われますが、この非核化の話、来月6月までに行われるとみられている米朝首脳会談で話し合おうというわけです。南北で非核化について、あまり決めることは、トランプ大統領の機嫌を損ねてしまうので、南北に関してはここまででとどめたということになります。ただし、朝鮮戦争の終戦宣言であったり、文大統領が秋に平壌を訪問すると、開城(ケソン)に連絡事務所を造るなど南北にとっては、まさに満額回答といえる宣言だと思います。ただ、これからアメリカがどう納得するのか、そして米朝首脳会談でどういった話し合いが行われるのか、ここが焦点になると思います。
 (Q.金委員長が会見に臨んだ時、プレスセンターは?)
 署名の瞬間がモニターに映し出された瞬間、どよめきが起きました。そして、その後に記者会見までは行われないのではないかという見方もありましたが、両首脳が歩いてマイク台が設置された会見場へ向かうと、さらにどよめきが大きくなりました。取材している我々にとっても、ここまでの会見をして、いわゆる生中継のなかで板門店宣言を発表するというのは、予想を超えた事態だったといえると思います。

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