米朝“合意” トランプ外交 米メディアの評価は?[2018/06/12 15:32]

 12日午前から続いていたアメリカと北朝鮮による米朝首脳会談が終了し、トランプ大統領と金正恩委員長による署名式が行われました。トランプ大統領は、「ともに取り組めば解決できる」というふうに話していましたが、これをアメリカメディアはどう評価したのでしょうか。

 (西尾哲也記者報告)
 アメリカでは首脳会談の開始時間がテレビのゴールデンタイムと重なったということで、各局ともに特別番組を編成していて、12日午前2時を回った今も大々的に報じています。気になる合意文書の内容は、CNNが当局者の情報として報じたところ、今回の会談を通じて協議が進展したこと、そして今後も協議の流れを維持していくことなどを確認したということです。また、会談開始前の報道になりますが、ニューヨーク・タイムズは合意文書について、大きく分けて3つの項目になる見通しだと報じました。その1つ目が「非核化」、2つ目が「北朝鮮の体制保証」、3つ目が「今後のステップ」だということですが、肝心の北朝鮮が非核化する時期が盛り込まれるかどうかは分からないとしています。ニューヨークでは、スポーツバーなどで巨大なスクリーンに会談の様子を映し出すイベントも開かれました。参加者に話を聞くと、意外にも、トランプ支持者ではないけれど大統領が得意の交渉力を発揮してくれるだろうという声が聞こえてきました。実際に最新の世論調査では、「トランプ大統領の交渉力に期待する」と回答した人は半数近くに上っています。しかし、「北朝鮮を非核化できる」と回答した人は2割にも達しておらず、お祭りムードの一方で具体的な成果に対しては懐疑的な見方がくすぶっています。有力紙のワシントン・ポストは早速、「12日の首脳会談は幕開けにすぎず、交渉は長期間になる可能性がある」と釘を刺しています。

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