正恩氏の“相談役”中国は「新たな歴史を歓迎」[2018/06/12 15:34]

 アメリカと北朝鮮による米朝首脳会談が終了し、トランプ大統領と金正恩委員長による署名式が行われました。金委員長と面会を重ねてきた中国はどう受け止めたのでしょうか。

 (山本志門記者報告)
 中国の王毅外相は「中国側は新たな歴史を歓迎し、支持する」とのコメントを出し、会談を高く評価しました。王外相は「米朝首脳が平等に対話することは中国がずっと望み、努力してきた目標だ」としたうえで、「全面的に非核化を実現しなければいけないし、問題の核心は北朝鮮の安全の問題だ」と論評しました。そのうえで、「中国は引き続き、役割を果たしていく」と強調しています。今回の会談に向けて中国は、金委員長が平壌からシンガポール入りの際に中国の要人が使う専用機を貸し出しました。中国としては北朝鮮の後ろ盾は我々だという点をアピールする狙いがあったとみられます。これまでも習近平主席は今年の3月以降、2回にわたって金委員長と会談するなど蜜月な関係を強調してきました。12日の米朝首脳会談後においても、さらに北朝鮮との関係を強め、非核化のプロセスに向けて自らが積極的に関与していきたいという思惑があります。非核化に向けた段階的な解決では、在韓米軍の撤退など中国と北朝鮮の利益が一致する部分が多いからです。さらに、朝鮮戦争の終結に向けた署名では中国は当事者なので、自らが関与できるよう巻き返しを図ってくるものとみられます。14日には会談に出席したアメリカのポンぺオ国務長官が中国を訪問する予定です。北朝鮮の高官も訪中するものとみられているほか、金委員長自身も平壌に帰るその足で航空機を借りたお礼と会談の報告をするため、中国側に立ち寄るのではないかという臆測も出てきています。

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