「中国人=派手好き」は古い! 「シンプル」に商機(2018/07/12 21:00)

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 2017年の日本と中国の貿易ですが、日本から中国への輸出が6年ぶりに輸入を上回りました。日本の貿易収支は、約4億ドルの黒字となりました。6年ぶりの黒字転化は機械や乗用車など伸びが原因ということですが、今後、伸びることが見込まれる新たな分野に注目してみました。それが、日本の建築デザインです。「中国人といえば、派手好き」といったイメージをお持ちの人も多いかと思いますが、今、彼らの嗜好(しこう)にある変化が起きているそうなんです。キーワードは「シンプル」です。

 茨城県神栖市へやってきました。大きく張り出した木のひさしが続きます。まるでデザイナーズマンションのようですが、よく見ると平屋建て。設計したデザイナーの人にご案内頂きます。
 設計したデザイナー・門間直樹氏:「(Q.これは一体、何の建物ですか?)これ、神栖市の保育園になります」
 キャラクターの絵が描かれ、色鮮やかな遊具が立ち並ぶ。そんな従来の保育園のイメージを覆す、シンプルで洗練されたデザインの建物ですが、もちろん、ただおしゃれなだけではないんです。子どもたちが大好きなスポットも、しっかりと随所にちりばめられています。中庭の窓枠にはベンチのように座れるスペースがあり、壁一面の黒板はお絵かきし放題。
 設計したデザイナー・門間直樹氏:「(Q.お庭にいると良い香りが風に乗ってしてくるんですけど、どこからしてくるんですか?)ハーブが植えてありまして」
 風が強い地域の特性を利用し、庭に植えられたハーブの香りが風に乗って食堂に届くといった仕掛けも。こちらの保育園、建築のテーマはずばり「風」です。各教室の天井には、木造の梁(はり)の間に窓があり、開けると風が抜けるようになっています。さらに…
 設計したデザイナー・門間直樹氏:「(Q.ここはまさかトイレですか?)子どもたちのトイレでして、『風』が舞っているイメージをトイレでも表現させて頂いています」
 デザインを担当した日比野設計は、幼稚園や保育園などを専門としていて、実に500軒を超える幼稚園の建築に携わってきました。手掛けた建物は、どれも独創的なものばかり。熊本の幼稚園では、建物の一部の屋根を取っ払って建物の中に自然の水たまりを作ってしまいました。シンプルななかに独創的なアイディアがちりばめられた幼稚園。そんな日比野設計に3年前、突然、転機が訪れます。
 日比野設計・日比野拓代表:「ある時、(中国から)突然メールで問い合わせが来始めて我々も最初、疑心暗鬼だったんですけれども、それが1件ではない。立て続けに2件3件と来出してひと月に20件くらい来た時があったんですね。そのなかの問い合わせで我々のことが中国のSNS上で大変拡散されていると」
 中国のSNS上で幼稚園の写真が爆発的にシェアされ、幼稚園を作ってほしいという依頼が殺到したのです。それから中国人スタッフを雇用し、中国展開に乗り出します。そして今年1月、ついに中国展開第一弾となる子育て支援施設を北京中心部にオープンさせました。1歳から6歳までの子どもを対象にした会員制の施設で月謝は5万円から6万円と日本並みの価格設定ですが、入会希望者が殺到。今は面接で会員数を絞っているといいます。
 幼稚園の先生:「一人ひとり上って!服、引っ張らない。危ないわ」
 宙に浮いた小部屋に子どもたちが競って上っていったりと、こちらの施設も実に遊び心が盛りだくさん。現在、中国では20件のプロジェクトが進行していて、今では売り上げの実に3分の1が中国からのものになっているそうです。
 日比野設計・日比野拓代表:「まだまだ我々の知らない顧客層はたくさんいるわけですね。新しく幼稚園というビジネスに参加してくる人もいる。そういう意味で考えるとまだまだ大きな可能性はあると思います」
 シンプルなデザインの代表格といえば…。北京中心部「天安門広場」からほど近い絶好のロケーションに新たにオープンしたのは「無印良品」のホテルです。無印良品ならではとてもシンプルな客室です。備品の一部は併設された無印良品の店舗で購入できます。富裕層から若者まで、幅広い層の取り込みを狙っているため、お部屋は1泊9000円から5万円とかなり幅を持たせた価格設定となっています。開業初日、家族3人で泊まりにやってきたのは北京に住む任さん一家。北京に住んでいるのに、わざわざホテルに泊まるそのわけは…。
 無印良品が大好き・任暁娜さん(34):「私は無印良品が大好きで、私の服、子どもの服、家の収納用品とか寝具とか家庭用品はほとんど『無印良品』なんです」
 そう、任さんは無印良品の大ファンなんです。毎週、お店に行って商品を買っていて、ホテル開業のニュースを知るやいなや早速、予約をしたそうです。
 無印良品が大好き・任暁娜さん:「日本には無印良品の食品スーパーが開店したと聞いています。レストランもあるでしょう。北京でもオープンしてほしいの。そしたら私の衣食住を全部、無印良品で一本化できるわ」
 シンプルを愛するようになった中国人。日本人が得意とする「美しいデザイン」と「質の高さ」が、これからの中国マーケット進出を狙う際の、重要なキーワードになっているのです。
 株式会社良品企画・松崎暁代表取締役社長:「(中国は)極めて大きなマーケットでまだまだ事業展開を拡大できると考えております」

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