737MAXショック…実質“発注済み”ANAは導入の意向[2019/12/18 08:29]

 アメリカの航空機メーカー大手「ボーイング」は、2度の墜落事故を起こした最新鋭機の生産を一時停止すると発表しました。機体は全日空も再来年から導入予定です。

 「737MAX」は従来の機体よりも燃費を向上させて航続距離も伸ばし、ボーイング社の主力小型機としておととしに商業運航を開始しました。しかし、機体は去年10月と今年3月に2度も墜落事故を起こし、合わせて346人が犠牲となりました。機体は世界中で運航停止となり、ボーイング社は今年4月から機体の減産に踏み切っていました。
 ブルメンタール上院議員:「我々のところに来た際、(原因は)パイロット、パイロットの未熟さだと嘘をつきましたね」
 ボーイング社・ミュイレンバーグCEO(最高経営責任者):「我々がお答えできるのは、虚偽や隠蔽が我々の理念とは一致していないということです」
 ボーイング社のCEOはアメリカ議会で墜落事故の遺族が見守るなか、厳しい批判を受け、会社としての過失を認めました。墜落は機体が失速することを防ぐ自動制御システムの誤作動とみられていて、ソフトウェアの更新が進められていました。しかし、運航再開に必要な当局からの許可が出る見通しは立っていません。日本の航空会社では全日空がこの機体を導入する方針を明らかにしています。最大30機を国内線に導入する予定で、再来年度には4機を受領する計画でした。
 ANAホールディングス・片野坂真哉社長:「この飛行機が来ないと小型機の領域で機数が多いので、導入をしたいという気持ちをしっかり持ちながら安全をしっかりと担保してデリバリー(機体引き渡し)に向かってほしいと思っています」
 全日空は13日に契約の手続き上、正式な発注には至っていないとしました。ただ、取締役会で購入が決まったことはボーイング社に伝えるなど、「ほとんど発注に近い」状況であることを明らかにし、予定通り導入する意向を示しています。

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