中国国営テレビ局を直撃 伝えられる日本の感染情報[2020/02/12 15:18]

 新型コロナウイルスについて、中国国内ではどのような報道が行われているのか。番組では中国国営メディアCCTVの東京支局を取材しました。政府による情報統制はあるのかなど、気になる質問もしてきました。

 中国の国営テレビ局CCTVの東京支局のスタジオです。日本国内のニュースを取材し、その内容を中国へと伝えています。今回、私たちは新型コロナウイルスについて中国メディアがどのような報道をしているのか取材しました。
 CCTV東京支局・王夢支局長:「(Q.新型コロナウイルス、どんな報道を?)最初は感染症の情報について主に放送していました。例えば、感染率などについて視聴者に伝えました。そして、マスクを外した顔にひもの跡が残っていた看護師の活動などは本当に感動されました。あとは病院の建設現場をネットやテレビ中継しました。数千万人の視聴者は現場監督のように24時間、建設の進み具合をチェックしていました。今の中国は力を結集してウイルスに対抗していると思います」
 また、中国国内では日本から発信される情報にも注目が集まっているといいます。
 CCTV東京支局・王夢支局長:「実は疫病について、旧正月の大みそか(1月24日)に私はある動画を拡散しました。日本の厚生労働省が公開したマスクの着用方法やマスクの処分に関する動画です。あの動画はおよそ20分で20万人が見ました。私の知り合いの日本人はSNSを通して約1万個のマスクを集め、寄付してくれました。郵送には時間がかかるので、この日本人は飛行機に乗って自らマスクを北京まで届けました。私たちはこの事実を報道し、中国の視聴者や私の友達も皆、感動していました」
 一方で、日本国内で話題となった「中国人禁止」のはり紙については…。
 CCTV東京支局・王夢支局長:「どんな社会でも極端な人がいます。主流な声ではないから報道する価値はないと思います。私は日本の生活は長いですが、このような報道はしません」
 中国の視聴者は医療関係者の努力や予防方法に関する情報に関心を寄せているといいます。ただ、今回の新型コロナウイルスについては中国政府による情報統制が感染拡大につながったという指摘もあります。メディア側へ何かしらの力は働いていたのか聞いてみました。
 CCTV東京支局・王夢支局長:「(Q.情報統制や中国政府に配慮する取材は?)少なくとも今回の報道について、日本にいる私は情報統制の影響を受けていません。日本の状況について、我々が見て感じたことを普通に中国国内に送り、報道することができます」「(Q.『これは言ったら駄目』と言われることは?)例えばどういう?」「(Q.感染拡大や人数を少なく…)全くありません」
 この日、新型コロナウイルスに関する取材を行うということで、その取材に私たちも同行させて頂きました。
 CCTV東京支局・王夢支局長:「特にクルーズ船の状況に関心があり、未知の空間となっています。『状況は悪くなるのではないか』と船の中の人も心配しています。彼らは船の上で隔離されていて、彼らの危険も増えるかもしれません」
 CCTVが取材したのが、日本のメディアでも感染症などの予防法について解説している久住英二医師です。クルーズ船でのさらなる感染拡大の懸念や船内の乗客はどのように身を守るべきなのか細かく話を聞いていました。そして、クルーズ船についてCCTVの東京支局が取材した内容が中国で12日朝に放送されました。
 CCTV東京支局・王夢支局長:「(Q.どういうことを伝えていくべき?)まず日本国内の感染状況、クルーズ船はまだ油断できない状況なんですけど、この状況も伝えていきたいです。また、日本の専門家のアドバイスを中国の皆さんにお伝えして参考にしてもらえればと思います」

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