「生き残るのに必死」「ロシアとの取引やめて」マリウポリ副市長に独自インタビュー[2022/04/06 23:30]

ウクライナ東部のアゾフ海に面した港湾都市・マリウポリ。鉄鋼業が盛んで、穀物の輸出港としても栄えた美しい街に40万人の人々が暮らしていました。1カ月以上にわたるロシア軍の包囲によって、街は色を失い、多くの命と生活の場が奪われました。いまだ約15万人が、市内に残されているとみられています。

マリウポリの副市長がインタビューに応じ、街の惨状を語りました。
マリウポリ市・オルロフ副市長:「街は悲惨な状況。ロシアは開戦当初から公共施設を標的にしてきた。電気、水道、暖房、ガスなど、空爆は、供給インフラに及んだ。ロシアは街を包囲して、あらゆる人道支援物資が持ち運ばれるのを阻んだ。住民は生き残るのに必死。地下やシェルターで、ミサイルや空爆から身を守ろうとしている。ロシアはクリミアまでの陸路を確保するため、マリウポリを利用したいだけ。ロシアが装備の整った戦力を集中させているのは、マリウポリを制圧することも考えられるが、制圧そのものが狙いではなく、単に“破壊”したいだけだと思う」

道端に放置されたままの遺体。キーウ近郊のブチャでみられた光景と変わりありません。

マリウポリ市・オルロフ副市長:「(Q.ブチャの件が報じられたが、マリウポリでも同じことが起きてしまっていると思うか)悲惨な映像、言葉は、報じられているとおり。劇場への空爆では300人が殺害されたことがわかっている。悲惨な数字だが、毎日100〜150人が、砲撃やミサイル攻撃で殺されている。ロシア政府自体は、ブチャでの犯罪行為が、あれほど恐ろしいものになるとは予測していなかったはず。そのためマリウポリでの戦争犯罪の隠ぺい工作を始めている。犠牲者の数は増えていくだろうから、ロシアはマリウポリでの戦争犯罪やジェノサイドをあらゆる方法で隠そうとするはず」

マリウポリ制圧を狙うロシア軍。ウクライナ軍に対して、ロシア側は何度も降伏を迫り「武器を置けば、命は保証する」としています。
マリウポリ市・オルロフ副市長:「 愛国心の強い兵士ばかりで、今も全力で守ってくれている。友人や大切な人たちを見捨てるわけにはいかないのだろう。ロシア軍は、この戦争でウクライナ軍に勝てないから、破壊行為やジェノサイドを利用して、軍に降伏を迫ろうとしている。(Q.国際社会にどんな支援を期待しているか)国際社会には今後も支援していただきたい。ロシアとの血塗られた取引をやめてほしい。相手は、民間人を殺害した戦争犯罪者であり、ケダモノだ。(Q:プーチン大統領に伝えたいことは)親や家、生活を失った子どもたちと話してほしい。マリウポリは、住民の90%がロシア語を使っている。ロシアの言う“平和”が、ロシア語を話す街を破壊したと知るべき」

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