米に“参拝”事前通知せず 「失望」批判は想定外か[2013/12/26 17:39]

 今回の安倍総理大臣の靖国参拝について、アメリカ政府は「失望している」と厳しいコメントを表明していますが、この反応について官邸サイドはどう受け止めているのでしょうか。

 (政治部・足立直紀記者報告)
 アメリカ政府は、「disappointed」=「失望した」と、日本に対して、これまで使ったことのないような厳しい表現で安倍総理を批判しています。安倍総理は参拝にあたって、談話の英語バージョンまで用意して、「参拝は戦犯を崇拝するものではない」などとアピールしました。しかし、その一方で、中国・韓国だけでなく、アメリカにさえも参拝の事前連絡をしていませんでした。参拝直前、ある外務省幹部は、「日米関係には影響ないだろう。総理談話を説明すれば理解されると思う」と語り、アメリカの批判を甘く見ていた節があります。オバマ大統領もケネディ大使も離れていきかねない状況に、安倍総理も「誤解を解きたい」と懸命です。
 安倍総理大臣:「この機にしっかり説明していく。しっかりと説明していくことによって誤解を解いていきたい」
 (Q.靖国参拝について、与党内の反応は?)
 公明党の山口代表に安倍総理は、参拝に出発する直前にようやく電話で参拝することを伝えました。「自分の決断として参拝する」と語る安倍総理に、山口代表は「賛同できない」と反対したものの、振り切って参拝する形となりました。山口代表は、「参拝で引き起こす問題は総理自身が修復する責任がある」と、珍しく怒り交じりに感想を語りました。安倍総理は、年明けには集団的自衛権の行使容認というさらなる「安倍カラー」政策を打ち出す考えです。それを前に、中国・韓国との溝が一層、広がったばかりでなく、アメリカとの距離感も広がり、さらには与党内の懸念までもが広がっています。

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