安倍総理“追加制裁”検討へ 米ロの間で苦悩の判断[2014/03/19 11:48]

 対立が深まる中、日本政府はアメリカなどG7各国と足並みをそろえて制裁に踏み切りましたが、北方領土問題を抱え、ロシアとも友好関係を維持したいとジレンマに陥っています。そうした中、安倍総理大臣は19日、追加制裁の検討を明言しました。

 (政治部・吉野真太郎記者報告)
 安倍総理はロシアに対して厳しい姿勢を示しましたが、民間では、東京・千代田区にあるホテルで、両国の経済関係を深めようと投資フォーラムが開催されています。
 日露投資フォーラム・参加企業:「経済制裁で、我々の仕事の案件がストップする懸念はあるが、ウクライナをどうしていくか、原点に立ち返って各国が考えれば解決出来る問題だ」
 参加者からは、経済への深刻な影響は無いだろうという声が聞かれましたが、クリミア情勢のあおりを受けて、日本、ロシアともに閣僚の出席は取りやめとなりました。
 一方、安倍総理は19日午前、「力による現状変更の試みは看過出来ない」として、ロシアへの追加制裁を検討していることを明らかにしました。
 安倍総理大臣:「ウクライナの統一性、主権及び領土の一体性を侵害するものであり、これを非難する。ロシアに対し、更なる(制裁)措置を検討していく」
 また、安倍総理は、来週にオランダで行われる核セキュリティーサミットの機会を利用して、G7首脳でロシアへの対応を話し合う意向も表明しました。政府内では、今週中にも追加制裁を行うことを検討していますが、安倍総理とプーチン大統領の良好な関係もあり、制裁の内容も含めて厳しい判断を迫られることになります。

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