人命盾「許しがたい」 政府、「イスラム国」を非難[2015/01/20 16:58]

 過激派組織「イスラム国」が日本人2人を人質に取り、2億ドル、日本円で約230億円余りの身代金を要求しているとAP通信が伝えました。日本政府の反応です。

 (政治部・足立直紀記者報告)
 菅官房長官は20日午後に記者会見し、「今、事実を確認中だ」としながらも、強い口調でイスラム国の行為を非難しました。
 菅官房長官:「このように人命を盾に取って脅迫することは許しがたく、強い憤りを覚えます。当該邦人の早期解放に向け、最大限の努力を尽くす所存であります」
 菅長官は中東歴訪中の安倍総理大臣と連絡を取り、安倍総理からは、事実関係の確認に全力を尽くしたうえで関係各国と連携し、人命第一に対応するよう指示しました。外務省は、シリアに大使館がないため、隣国ヨルダンの臨時大使館が情報収集にあたっています。政府は、総理外遊に同行していた中山外務副大臣をヨルダンに派遣し、現地で指揮を執らせることにしました。YouTubeの動画によりますと、イスラム国側は2人の身代金として、2億ドル、約230億円を要求していますが、これとまさに同じ額を中東歴訪中の安倍総理がイスラム国対策として支援表明していました。
 安倍総理大臣:「ISIL(「イスラム国」)がもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に総額で2億ドル程度、支援をお約束します」
 フランスでテロがあった直後の中東訪問だっただけに、外務省幹部は、今回の安倍総理の中東歴訪について「発言次第では、日本がテロのターゲットになりかねない」と懸念を示していました。慎重に言葉を選びながらのスピーチでしたが、「イスラム国がもたらす脅威を少しでも食い止める」などと発言し、イスラエルとの首脳会談でも「卑劣なテロは断固として非難する」と発言していました。今のところ、こうした発言がイスラム国側の行動に影響を及ぼしたかどうかは分かっていませんが、日本人2人の命を救うために日本政府は非常に厳しい対応を迫られることになります。

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